2冊目の本がとうとう出ました!
住宅業界の人間でも、住宅評論家でもない公認会計士が、なぜ住宅購入や住宅ローンについて書くの?に答えます
どうも千日です。本の発売が2018年1月31日に延期となりました。出版を心待ちにして頂いている読者の皆様、申し訳ございません。
見切り発車で帳尻を合わせるのではなく、ちゃんとした完成形でご提供するための延期です。
どうか、もうすこしお待ちください。
「はじめに」へのなぜ?に答える
それにしても、出版社の中では本当に多くの人がこの本に関わって頂いています。そうしたフィードバックの一つとして「はじめに」に、ひとつご注文をいただきました。
住宅業界の人間でも、住宅評論家でもない公認会計士が、
なぜ、住宅購入や住宅ローンについての指南をしているのか。
とても的確なご指摘だと思います。
実は、ブログでもその部分については、ちゃんと書いているわけではないんですよ、あははははは。だってついこないだまで、会計士だってことも伏せてましたから。
毎日更新キャンペーン中ですし、これから執筆する「はじめに」の下書きをこのブログ上でやってしまおうと思います。
では、どうぞ。
はじめに
私は長年のあいだ、大手の監査法人で公認会計士として大企業や自治体のコンサルにかかわってきました。
「家を買う」のは多くの人にとって年収の何倍にもなる、見たことのないような金額が必要です。また住宅ローンの期間は自分の年齢と同じくらいの未知の期間です。
そうした意思決定をサポートするのにファイナンシャル・プランナー(FP)などの専門家が利用する手法は、私の専門分野である会計を利用した手法です
会計(数字)の専門家が知る数字の魔力
「会計士なら専門家だから最もおトクになるように計算して住宅ローンを組んでいるのだろうな」と思われるかもしれませんが、全くそんなことはありません。
- 専門家であるからこそ、その会計(数字)の限界を知っています。
- そして、数字には人の判断を狂わせる魔力があります。
決算期に数字が固まらないと、よく休日を返上してクライアントへ行って経理部長と机を並べ、数字を詰めてもらいました。
そうした数字を出すのがそんなに難しいのか?というと、そんなことは無いんですよ。
その数字を受け入れるのが難しいからです。
こんなの、タダの数字じゃないですか。
粛々とやりましょう。
こんな風なことを言ってたように思います。これを聞く経理部長からしたら「だったら、こっちの好きにさせてくれよ」と言いたかったでしょうね。
それはその通りです。
タダの数字といいながら、それを好きにさせないために、そう言ってる私自身が休日返上で詰めに来ているわけですから。
矛盾しています。
数字に引っ張られることの危うさ
数字が悪いわけではありません。
より大事なのはその本体の方です。
その会社が良い製品サービスを生み出していて、価値のサイクルを回していることが大事です。会計に出てくる数字というのは、極めて限定的な条件下で、その一部を切り取って出した数字に過ぎません。
しかし、その数字ばかりに目がいってしまって、その本質のところに目がいかなくなるとまずいです。最近だと仮想通貨なんかが良い例です。その通貨がもたらすメリットは置き去りに、数字だけが独り歩きして膨張している。
家を買うときの数字の向こうにあるもの
- 自分にこの家が買えるのか?
- 頭金がいくら必要で、どんな住宅ローンを組むのがいいか?
- 家を買ったあと、もしものことがあったらどうすればいいのか?
これらの問題に対して、ちゃんと向き合って家を買わないといけません。
そしてこれらのことは、割と簡単に数字で計算することが出来ます。
でも、世の中に出ている手法は、会計的な手法を使ったタダの数字の出し方に終始しているのです。多くの専門家は、それを何となくわかっていながら、見て見ぬふりをしています。
私自身が家を買ったときにも、自分のことであるにもかかわらず、そうしたことに目をつぶって、ないしは気づくことなく購入し、あとになってから失敗したなと思うこともあります。
本書は、いままで誰も書かなかった数字の向こうにある本体をつまびらかにしています。それは、長年にわたって会計の専門家として数字にこだわり、その魔力と格闘してきたからこそ書けることです。
これからの少子高齢化社会を生きる
これから我々を待っているのは少子高齢化社会です。
家を持っておけばそれで安心か?というと、必ずしもそうではない、という時代がやってきます。
人類史上、いままでずっと人口は増える一方でした。人口の増加とともに経済は拡大していったんです。
人口が減っていく、それも戦争や自然災害などではなく自然に減っていく、というのは人類がいままで経験したことの無いことです。
そんな環境下で、どうやって自分や家族を守るのか?
まだ明確な答えはありません。
私は公認会計士として、自治体の公会計導入にも携わってきました。公会計というのは少子高齢化社会で先細りする税収、その一方で増加する高齢者に対する医療費、扶助費を賄う効率化に企業会計の考え方を導入する取り組みです。
自治体や国はそうした準備を着々と進めています。
では、我々の方はどうなのか?
住まいを手に入れるというのは、こうした長期的な視野をもってやらなければならないことですが、世間にある住宅ローンのノウハウや家の買い方は?
全く手薄なんですよ。そうしたことを言うと売れなくなると思っているんでしょうか?
でも、それに対してどう備えていくのかという指針が無ければ、そもそも家など買わない方がマシじゃないでしょうか?
人類が初めて経験することです。
これに対する「正解」というものはまだこの世にありません。
本書ではその正解のない問いに正面から答えることを目指しました。
私にしか書けないことがある
ボツになった著者略歴にこんなことを書きました。
人が何かをやるか、やらないか、という決断をするのには、もう一つの物差しがある。
私が書く文章、そこに載るノウハウは私にしか書けないもので、それによって助かる人が沢山いるはずだということだ。私はいま、自分にしか出来ない仕事をやっている(と思っている)。
我ながら、大風呂敷を広げたもんだと思います(笑)。
がしかし、偽らざる私の気持ちです。
どうすれば無理なく自分の家を持ち、子どもを育て、安心できる老後を迎えられるのか?不動産会社や銀行があえて語らない、本当の家の買い方、住宅ローンの選び方をあますところなく、書いています。
本書が、マイホームの計画を立てるみなさまのコンパスとなることを、心から願っています。
2018年1月吉日
千日太郎
まとめ~当時を振り返って
あの頃は結構精神的にしんどかったですね。もともと12月の予定だった本が1月に延びてさらに…という感じでしたから。
でも、こうして今(出版から10カ月後の11月末)では3刷増刷となり、この種の実用本としては異例のヒットとなりました。
妥協せずに粘り強くやったことが良かったんだと思います。
以上、千日のブログでした。
《あとがき》
思いつくままに書きました。さすがに長すぎますよね(笑)。
この後、冗長な部分を削除して、編集者の方に送ろうと思います。
発売延期につきましては、より良いものにするための延期ということで、どうかお許しください。
それはそうと、前回の記事でスターありがとうございます。いつも付けてくれる人はもちろん、意外な人が読んで下さっていることが分かってうれしかったです。
いちいちポチポチするのは面倒だという人もいるでしょうし、これに対する考え方も色々あってしかるべきだと思います。
ただ、息遣いと存在を感じられたらうれしいという気持ちがわたしにはある、それだけです。
それぞれの方が、それぞれのスタンスで千日とお付き合いいただければそれで充分にうれしいです。
2018年1月9日
毎月更新!年齢、年収別の最適住宅ローンランキング➤姉妹サイト「千日の住宅ローン無料相談ドットコム」へ
年齢や年収によって、リスクの傾向と対策が変わり、つまり住宅ローンの組み方というのも変わってきます。
しかし、それを具体的な資金計画に落としこみ、今現在でリアルに選択可能な銀行の商品に当てはめるのは素人にはなかなか難しいです。
このランキングの構造は、ユーザは自分の年齢と年収を選択することで、自分の年齢と年収に特有のリスクに適合したFPの提案を受けたのと同等の効果を得ることが可能となります。
単なる「金利の安い順」とは次元の異なるランキングです。
ランキング | 年齢 | |||
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20代 | 30代 | 40代 | 50代以上 | |
新規借入 | 20代800未満 | 30代600未満 | 40代600未満 | 50代1000未満 |
30代600~1200 | 40代600~1200 | 50代1000以上 | ||
20代800以上 | 30代1200以上 | 40代1200以上 | ||
借り換え | 20代借換 | 30代借換 | 40代借換 | 50代借換 |
団信 | 20代団信 | 30代団信 | 40代団信 | 50代団信 |
毎月更新!金利先読み住宅ローンランキング「千日のブログ」へ
また、千日のブログでは、銀行の営業方針や公開された事業計画に基づいて金利を先読みし、金利を下げそうな住宅ローンの商品をランキング形式で毎月更新しています。