人生やりたいことリストの旅

人の脳は、自分のやりたいことしかできないように出来ているんだ

個人ブロガーが本を書いて分かった文体へのこだわりと出版社のこだわり

2冊目の本がとうとう出ました!

校正は著者と出版社のこだわりのセメギ合い

どうも千日です。本日、校正が全て終わり、完全に私の手を離れました。手を離れるまでは、もういいだろうと何度も思いましたけど、いざ終わってしまうと寂しいものですね。

ちょっとした放心状態のような感じです。

この後の流れとしては、印刷に出して取次という書店の問屋さんに卸され、そこから全国の書店に出るということで、おおむねハード面の流れとなります。私の出る幕はございません。

お題も頂いているのですが、あんまりガッツり書く体勢が出来ていないこともありますし、この個人のブログとして、その時のリアルタイムに自分が感じたことを記しておきたいと思います。

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自分が意外と文体にこだわっていることが分かった

会計士として、色々文章を書いてきました。とは言っても、クリエイティブなものではなく、

  • 証拠として残しておくための調書
  • クライアントに報告するためのレポート

もっぱら、こういった類のものです。

事実を正確に伝達するための文章です。こうした文章は、ある程度反復して訓練すれば一定の水準になるものです。

こちらの記事の前半で、そうした文章の書き方について書いています。

クリエイティブで面白い文章を書く方法に答えます - 千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える

実用書を書くときの言葉遣い

こうした経験は今回の本のような実用書を書くのに役に立ちました。

ここからここまで穴を掘ってください。というような図面に似ています。目的を達するための情報を過不足なく伝えればいいのですから、無駄なことは書かないですし、使う言葉についても、その言葉の定義に従い使用します。

読む人によって解釈が変わるような文章はダメなんです。ですから、どの場面でどんな言葉を使うのかということについては、こだわりがあります。

こだわりって言うと、ちょっと偉そうな感じがするかもしれませんけど、それは正しい言葉を使うというということです。

日本語には同じ意味でも複数の言葉があるじゃないですか、同じ意味であれば「どっちでも良いよ」というのが私のスタンスです。

例えば、以下のようなものです。

  • 私はこの話を聞いて感動したのです。
  • 私はこの事実を知って心を動かされました。

二つの表現は確かに違います。でも読んだ人に伝わる情報に差異はありません。何が違うのかというと、それは文体が違うということになるんだろうと思います。

文体なんて、(私は)どっちでもいい、と私も本を書くまでは思っていました。

文体が変わることで感じた違和感

しかし、いざ原稿を一通り書いて、そのあと校正に入ると「ここはこの方が流れがいいのでは?」という提案が編集から入ります。

例えば、前述の前者で書いているところに、後者の方が流れがいいのでは?というような提案です。

校正では、そういった協議を原稿を使ってやっていくのですが、そこで興味深い発見がありました。

意外と私は文体にこだわっている!

という発見です。

もともと私の文章ってあんまり色が無いですし、どっちにしても意味が変わらないので、ゼンゼン構わない感じなのですが、中にはどうしてもこれは譲れないな、というところが出てきたんですよ。

文体=筆者の言葉遣いである

それは、いままで書いてきた文章のときには無かったこだわりでした。実用書であっても、そこで使う言葉というのは、自分が読者に向かって使う言葉遣いなのです。

これは関西人あるあるなんですけど、ネイティブの関西人がエセ関西弁をトークに挟む非関西のタレントに対して感じる違和感に似てます。

そんなん言うてへんわ

なので、これは私の言葉では無いな。と感じた部分については「ここはこの言葉を使う必然性は無いですよね」なんて適当な理由を付けて、押し通しました。ははは。

読者に対する姿勢でもある

文体のもう一つの面は、読者に対する姿勢でもあるんですよ。昨日まで編集案で進んで、最後にギリギリになってオリジナルに戻してもらった言葉があります。

  • オリジナル:お得
  • 編集案:おトク

従来から千日のブログを読んで下さっている読者の方なら「損得に目を奪われるとかえって失敗しますよ」というのが千日の基本姿勢であることは、お分かりいただけると思います。

しかし、本を手に取る人の中には千日を知らない人も大勢いるのです。パラパラっと本をめくったときにパッと目に入る視認性という面で「お得」よりも「おトク」が優れていると思うのです。

しかし、このカタカナの「おトク」には、「目先のお得感に飛びつきがちですよねアナタたち情弱は」というような、読み手を見下した感を感じるんですよ。

バーゲンのお買い得とは違います。心から目先のお得に飛びついているなんて思っている人は居ませんよ。

わたしは千日の住宅ローン無料相談ドットコムでは結構厳しいことも書きます。なぜかというと、これからの人生がかかっている重要な局面なので、オブラートに包んで真意が伝わらなくなってしまったら意味が無いからです。

しかし、見下すということは絶対にしないです。

「お得」と「おトク」、どっちも同じ意味です。どちらを使っても、読者をミスリードすることは無いでしょう。

変えてもらったのは、ほかならない私の文体に対するこだわりであったと思います。

出版社の文体へのこだわりも分かった

あとは出版社にも、面白い拘りがあることがわかりました。ちょっとご紹介しておきましょう。

あえて漢字を使わない言葉がある

これは、出版社によっても違うと思うのですが、あえて漢字にしない言葉っていうのがありました。

編集者とのやり取りで分かったのは以下の三つです。

  • 言う→いう
  • 良い→よい
  • 始まる→はじまる

なんで?分かりません。出す本は原則として、全てそうらしいです。

でも、「絶対にひらがなでないとダメ」ってわけでは無くて、流れ的にここは漢字の方が良いだろうという部分については漢字にしてもらうこともできます。

千日の本も、部分的にこれらの言葉を漢字に変えてもらいました。

あとは、こちらが譲ったところもあります。

既に家を買うプロジェクトは始まっている。
当初、こんな風に書いてたところが、次のようになるんですね。
既に家を買うプロジェクトははじまっている。

見た感じ「はは」が見にくいですよね。なので

既に家を買うプロジェクトは始動している。

こうして「始動」という言葉に置き換えました。面白いですよね。

送り仮名にこだわる

「おこなう」って送り仮名どうしていますか?私は「行う」です。私はというよりは、パソコンがそうしているんですけど、「行う」が違和感が無いです。

でも、「行なう」なんですよ。

昔はみんな「行なう」が正しかったんですよね。しかし、どっかの時点で「行う」に変わって今に至ります。

おこなうという言葉は結構色んなところで使うので、どうしても違和感がありまして、「行う」に変えてもらいました。

良く考えたら、そういう意味では送り仮名いこだわっているのは、むしろ私の方かもしれませんね。

用語は基本的に統一したい

これは、出版社のこだわりというよりは、実用書としての基本なのかもしれません。

住宅ローンについて解説している章で「私たち」と書いているところと「利用者」と書いているところがありました。利用者というのは住宅ローンを利用する人という意味です。

これに対して「利用者」に統一しませんか?という提案がありました。

これについては、2つの派があるみたいですね。統一すべき派と統一しない派です。

私は「統一しない派」だったようです。実際にやり取りをして分かりました。

その文章の中で、より分かりやすい表現があるべきであり、ならばその文章で何を言いたいかによって、言葉は変更するべきだと主張しました。

その結果、住宅ローンについて書いた章では「私たち」と「住宅ローン利用者(債務者)」というような2通りの使い分けがされています。

債務者ってあんまりイメージ良くないんであまり使いたく無かったんですけどね。でも事実そうですし、滞納しているお客については、債権者はそう思ってますから客観的な事実です。良いご指摘を頂いたと思います。

まとめ~編集者ならびに携わって頂いた皆様に感謝!

文章を書くことはある程度やっていたとはいえ、本を書くということについては全くの素人である千日にお付き合い頂きまして、本当に感謝しています。

説明に使う図のイラストなんかもデザイナーの方に私のヘタな絵をもとにカッコよく作って頂きました。

そのほかにもね、文字数考えろよってくらい沢山書いてくるし、これほんとノープランでしたね。ちゃんとカウントしておくべきでした。色々と注文を付けたりしたのですが、中には「コイツわかってねーな」ということも沢山あったと思います。

そういうことにも、丁寧に情理をつくして説明し、受け止めてくださった編集の方に感謝しています。

こんどはもう少し上手にやりますので、これに懲りず、またよろしくお願いしますね!

以上、千日のブログでした。

《あとがき》

やっと(本当に)終わりました。終わったら楽になるのかな…なんて思ってましたけど、寂しさの方が勝っている感じです。

出版社の方は、まだまだこれからやるべきことがあるので、お疲れさまでしたという言葉をかけるわけにもいかないのですが、感謝の気持ちを書いておかねばと思った次第です。

あ、お題の方もぼちぼち書いていきますよ!

しばしの放心をお許しください。

2018年1月16日

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