フィレンツェには大理石の彫像のような全身白いジプシーがいます
どうも千日です。全身白い人が歩いてます。珍しいので写真を撮りたくなりますが、写真を撮ったことがバレると寄って来ます。みだりに写真などを撮らない方がいいです。
と言いつつ、その写真です
実際はこの右手前に妻が居るんです。妻を撮ってたら、偶然写り込んだ奇跡の一枚です。
本当に真っ白ですよね!しかし彼(彼女)はジプシーなんです
衣装はもちろんのこと、顔も頭髪も髭も全身を白く塗って居るんです。たまに大道芸人の芸で彫像のように動かない芸が有りますが、それを模したものだと思われます。
大道芸人は全く動きませんが、ジプシーは良く動きます。
こちらが物珍しそうに見ると、人懐こく駆け寄って来ます。そして…
握手をし、
ハグをし、
お金をねだり、
サイフやパスポートをスリます。
これがイタリアでジプシーと呼ばれる人達の一連の流れです。私達夫婦がフィレンツェを観光している間にも、この白いジプシーが寄って来ましたが、完全にシカトを決め込んでお引取り願いました。
そもそもジプシーとは?
Wikipediaからの引用
ジプシー(gypsy,gipsy)は、一般にはヨーロッパで生活している移動型民族を指す民族名。転じて、様々な地域や団体を渡り歩く者を比喩する言葉ともなっている。外名であり、当人らの自称ではない。
近年の日本においてジプシーは差別用語、放送禁止用語と見做され、「ロマ」と言い換えられる傾向にあるらしいです。ロマは北インド起源の移動型民族でヨーロッパの「ジプシー」の最大勢力です。(Wikipediaより)
今ひとつピンとこないですよね。
イタリアのジプシーとは?
イタリアの周辺国(主にアルバニア)から入ってくる貧しい移民達です。中にはアドリア海をゴムボートで密入国して来る者もいます。
密入国だと、どうしたってまともな職に就くことは難しいです。多くはスリや物乞いをして生計を立てています。不法滞在ですから入管に見つかれば送り返されますが、イタチごっこなんです。
彼らの人生に思いを馳せるとやり切れなさが込み上げて来ます。しかし、だからと言って自分がエサになるのは御免です。
イタリアではスリや泥棒が多いですが、その正体はこういった移民達だと言われます
ミラノの自撮棒売り(グリーンのシャツ)
このような移民達によって、スリや泥棒、ボッタクリの多い国という不名誉なレッテルを貼られているイタリア人こそ、最大の被害者かもしれませんね。
イタリアにはそれでも年間5千万人近い観光客が訪れる。スリが居てちょうどいい。
なんてブラックジョークを言う余裕もあるようですが。
こちらは用が無いのに向こうから話し掛けて来る人は絶対に相手にしない
ヘイ、ナカータとか必ず何か言って来ます。『何を言ってるのかな?』と耳を傾けないことです。それこそ彼らの狙いです。島国の我々は知らない言葉で声をかけられるのに慣れていません。
ナカタなんて知り合いはいないよ
取り付く島を与えてはいけません。
子供にも注意が必要です。雑誌のようなものを見せて何か言って来ますが、それはちょうどウェストポーチが死角になるような見せ方です。
死角で何が行われるかは、言わずもがなです。
他にも、ブランドバッグを持った一見金持ち風とか、ひどいのになると警官のコスプレとかが居るらしいです。現地の人には一目で見分けがつくらしいですが、我々観光客には見分けがつきません。
千日夫婦は、幸運にもスリの標的になることはありませんでしたが、ジプシーや自撮り棒売り達には沢山絡まれました。東洋人ですから、観光客であることは丸わかりですし、ある程度標的になることは覚悟しておく必要があると思います。
なんていうか、彼らと接する時には何とも言えない怖さがあります。人懐こい感じで寄って来るんですけど、目の奥は笑っていない。日本国内にいると感じることの無い、自分が標的になっている感覚です。
こんなことばかり書いてると、イタリアに行って良いことなんてあるの?と思われるかもしれませんが…
それでも毎年5千万人近い観光客を魅了するのがイタリアという国なんですね。
フィレンツェの象徴 ドゥオーモ。巨大過ぎて地上からその全体をカメラに納めるのは至難の業です。